最新ウェアラブル、スマートLEDシューズ「Orphe」が秘めた可能性

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9月7~8日の2日間に開催された「Wearable TECH Expo」。2日目のオープニングは「スマートLEDシューズOrpheの描く未来」と題した、no new folk studio代表取締役の菊川裕也氏によるプレゼンテーションが開催された。


no new folk studio代表取締役の菊川裕也氏

足の動作に応じて、スニーカーに搭載されたLEDがリアルタイムに光を表現する”スマートシューズ”「Orphe」を開発し、2014年10月に、東京発のスタートアップ企業「no new folk studio」を立ち上げた菊川氏。2015年3月にアメリカのクラウドファンディングサイト「Indiegogo」に出品したOrpheは、3万ドルの目標額に対して、200%を超える金額を達成。受け付け終了以降も、現在までに既に8万ドルの資金を調達した。


スマートシューズ「Orphe」
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“靴は楽器の要素がある”からスタートしたOrpheの開発

Orpheは、100以上のフルカラーLED、9軸センサ、Bluetooth LEモジュールなどの電子部品類をスニーカに内蔵し、センサによるモーション解析とウェアラブルLEDによる光の表現をリアルタイムに同期させるのが主な仕組み。もとは首都大学東京の大学院で、電子楽器のインターフェースデザインの研究をしていた菊川氏だが、スペインのポンペウファブラ大学への留学中にOrpheの原型を思い付いたという。「フラメンコやタップダンスなど、靴はもともと楽器としての要素がある。そこに着想を得た」と話す。

そこで開発されたプロトタイプは、足踏みに合わせて打楽器が演奏できる靴。圧力センサで重心の移動を検知し、そこから得られるアルゴリズムをパーカッションのトリガーにしたものだったそうだ。そして、「研究の中でフィードバックをすごく大事にしていた」とし、音だけでなく視覚的にもフィードバックを付けることで認知がより向上するだろうと考えたという。それが現在のOrpheの開発へとつながっている。そして、フィードバックだけでなく、光る靴と音楽の相性の良さに気付き、現在はダンサーとのコラボレーションを中心に展開している。

Orpheは、ユーザーがスマートフォンやタブレットを通じて簡単に光のパターンを作成できるのが基本機能。塗り絵のように画面をなぞると色がつく。しかし、「ただ光ったり音が鳴ったりする靴ではなく、IoTが加わることによって楽器以上の広がりが出るのではないか」と考え、”LuminouShare”というLEDの光り方のパターンをクラウドでシェアするサービスを発案。2013年のハッカソンで大賞を受賞している。「それまではLEDの光り方のパターンはエンジニアしか作れないと思っていたが、普通はデザイナーが作るものだと考えた」と、着想を広がった経緯を語った。

Orpheは2015年夏、トヨタ自動車の「Vitz」のCMにも登場し、注目を集めた。世界的に活躍する日本人女性ダンサーの菅原小春さんがOrpheを着用し、ダイナミックなダンスを披露。Orpheが描く光の残像による芸術的なパフォーマンスが印象に残った人も多いだろう。これはスローシャッターによる多重露光撮影を利用したもので、菊川氏は「キレイなだけでなく、実は運動の可視化にもなる。例えば加速度に応じて色が変わるインタラクションを盛り込み、写真を撮っておくと、ある一定時点の動きがどのぐらいの速度であったかなどを視覚的に確認できる。写真のアートでもあるし、スポーツのビジュアライゼーションにもなる新しいジャンルになるのでは」と、今後の可能性に期待を込める。

ヘルスケアとしての可能性を模索

その応用例として、会場で本邦初公開されたのが、開発中の「Orphe×windmill」。ブレイクダンスの技の1つである”ウィンドミル”で動かすアプリで、ウィンドミルの速さを靴の光り方で10秒間可視化するとともに点数化もするというゲーム的な要素を持つ。点数はクラウドで共有して、ランキングを競える。


加速度に応じてOrpheの色が変わる

「Orpheを公表した後、ほかのスポーツにも使いたいなど、いろいろな人に注目してもらえることを改めて実感した」と話す。スポーツ、ファッション以外の分野への展開としては、特に”ヘルスケア”の可能性を模索していると言い、「リハビリをしている人から『Orpheでゲーミフィケーションのようなことをやって、しかも靴がファッショナブルであれば楽しくリハビリができる』というメールをもらったことがあり、ぜひそういうアプリも作っていきたい」と話した。

また、「iPhoneアプリなど、誰でも作れるような状態にして、次世代の靴がどうしたら役に立つのかをぜひ多くの人に考えていただきたい」と述べ、オープンソースでの開発を基本としていく方針を示した。

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